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淀五郎

Author:淀五郎
 
“淀五郎”は古典落語の演目。
相中にすぎなかった歌舞伎役者の澤村淀五郎は『仮名手本忠臣蔵』の判官役に抜擢されたが、四段目の切腹の場で、座頭で由良之助役の市川團蔵から連日のダメ出し。思いつめていたところ中村仲蔵に「いい所を見せようとする気持ちが強すぎる」とアドバイスを受けて、開眼。二階級特進の名題に抜擢される。六代目三遊亭圓生の十八番だった。

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「五街道四門三月双蝶々初夜」(3月14日)
五街道四門三月双蝶々初夜

いつものように人形町駅の近くの蕎麦屋で腹ごしらえをして会場に向かう。
このところ陽気も良くて春の温かさを感じる。

1階席は満席、2階席にもお客が入っていてかなりの盛況だ。
この会場では見たこともない花道も設けられている。

五街道四門三月双蝶々初夜
(2012年3月14日 19:04~21:00、日本橋劇場

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桃月庵白酒「長屋」
蜃気楼龍玉「定吉殺し」
五街道雲助「権九郎殺し―芝居掛―」
(中入り)
隅田川馬石「雪の子別れ」
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◆白酒:「長屋」(19:04~19:32)
照れながら白酒が花道から登場。途中で振り返り2階席に向けて両手を上げてポーズ。
短いマクラでは、雲助月極十番が終わり、そのおまけとして考えられたもののようだが、弟子の身としては全く迷惑なことだと。
噺は、長吉の子供らしさとズル賢さがバランス良く表現されていたし、父親の長兵衛も酔っぱらいの時とシラフの時の対照的な様子がうまく演じられていた。

◆龍玉:「定吉殺し」(19:33~20:05)
龍玉は泥棒噺など人物表現に“凄み”を必要とする噺で抜群の持ち味を発揮する。
番頭・権九郎が長吉を唆し、長吉も店の金50両を盗み出す腹を決める場面は“悪”と“悪”のぶつかり合いで印象深かった。
長吉が金を盗んだ後に、立ち聞きしていた定吉を手ぬぐいで後ろから絞め殺すところは思わず鳥肌が立つような迫力があった。

◆雲助:「権九郎殺し―芝居掛―」(20:06~20:20)
いったん幕が引かれ場内が暗くなる。
再び幕が開くと舞台に敷かれた赤い毛氈の上に雲助が座っている。
スポットライトを浴びての一人芝居。
50両の金を手に入れて花魁を身請けできると算段して喜んでいる権九郎。
盗んだ金は渡せないと権九郎を手に掛ける長吉。
歌舞伎のようにツケに合わせて演じられる殺しの場面。見得も交えての熱演だった。
最後に長吉役の雲助は、花道の七三に立って手拭いで頬被りし揚幕へ向かって駆け抜けていった。

◆馬石:「雪の子別れ」(20:32~21:00)
人情噺らしく、養母・おみつの亭主・長兵衛への献身的な世話と心の優しさ、さらには長吉への深い愛情が丁寧に語られていく。
「とにかく生きろ」と病身ながら長吉に訴える長兵衛の息子を思う気持ち、父子共々が実はお互いを思いやっているのに不器用なのでついつい言葉が荒くなってしまうもどかしさなどもうまく演じられていて良かった。
最後に雪が降りしきる中、長吉が吾妻橋のたもとで縄にかかる場面も大団円に相応しい演出だった。

雲助が一人芝居を演じたいがために設けられた落語会のようだが、実はそうではなく弟子3人のそれぞれの持ち味を発揮させて活躍させる場を設けた黒子役だったのではと思った次第。それに十分に応えた3人。
様々な趣向が取り入れられていての好演で非常に興味深い舞台であった。

ただし残念だったのは、一つはプラグラムがなかったので雲助が出る前に幕が引かれると中入りと間違って客席を離れてしまい、その後一人芝居が始まるのに気がついて慌てて再び席に戻る観客がかなりいて会場がざわついて混乱したこと。
もう一つは、雲助が花道を帰っていく場面ではスポットライトなどの照明が欲しかったこと。せっかくの演技が薄暗くて見えにくかった。

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第18回三田落語会・夜席(2月25日)
早めの夕食を済ませて再び会場へ。
お客の半分程度は昼席からの連続のようで、顔ぶれもどこかで見たような人ばかり。

第18回三田落語会(夜席)
(2012年2月25日 18:00~20:55、仏教伝道センタービル8F)

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(開口一番)春風亭朝呂久「幇間腹」
柳家さん喬「権兵衛狸」
橘家文左衛門「化物使い」
仲入り
橘家文左衛門「竹の水仙」
柳家さん喬「寝床」
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◆朝呂久:「幇間腹」(18:00~18:14)
幇間の一八の針を打たれる時の仕草が可笑しかった。

◆さん喬:「権兵衛狸」(18:14~18:42)
マクラでは共演者の文左衛門について。
しょっちゅう「早く師匠の文蔵を継げ」と言っている。
“文左衛門”は田舎の爺さんのようだが、“文蔵”は響きもいい。
関連して自分の名前についても言及していた。
真打に昇進する時に師匠に何かいい名前がないか尋ねると、柳家には残っていないと。
本名が稲葉なので“因幡のうさぎ”はどうかと言われたので断った。
“小半治”という名前があったので頼んでみるとOKが出たが、知り合いに姓名判断をする人がいて「小さく半分になっておさまる」なんてのは止めたほうがいいと言われて納得。
結局、“さん喬”のままで現在に至っている。
まあ“小三治”は小さく三つになっておさまるだが…と。
噺の方は、日本昔話のような語り口で始まった「権兵衛狸」。
夜な夜な権兵衛のところに狸がやって来て戸の外で「ご~んべ、ご~んべ」と呼びかける声が耳に残る。
捕まえた狸を村の若い衆は狸汁にして食ってしまおうというが、権兵衛は母親の祥月命日だから殺生はできないと言って頭の毛を刈って放してやる。
権兵衛の心の優しさに聴いていて気持ちもほのぼのとした。

◆文左衛門:「化物使い」(18:42~19:22)
人使いの荒い隠居はニン。
のっぺらぼうの女はなかなか可愛らしく、隠居の布団を敷いてくれという言葉を誤解して慌てるところが可笑しかった。

◆文左衛門:「竹の水仙」(19:32~20:12)
噺のなかの左甚五郎は、江戸の大工のようなガラッパチで乱暴な物言いは文左衛門カラー。
旅篭の主人を「養子、養子」と呼びつけるのも可笑しかった。
竹の水仙を買い求めに細川家からやってくる使いの侍が“上田馬之助”。「吉村道明、山本小鉄、タイガー・ジェット・シン、キラー・トーア・カマタ」の名前も出てくる強烈な一席だった。

◆さん喬:「寝床」(20:12~20:55)
マクラでは、今、文左衛門が「すいません。好き勝手に演らせてもらいました」と言ってが高座から下りてきたが、寄席では長い噺はなかなかできないし、落語会でも場所によってはきちっとしなければならないような固いところもある。
ところが、この三田落語会は地域に根付いた会で客も暖かく、噺家は伸び伸びと好きに演ることができると。
噺の方は、旦那が喉の調子を試すために時々浄瑠璃を唸るが、これをさん喬が相当誇張して面白おかしく演るので大笑いした。
まさに伸び伸び好き放題の楽しい内容だった。

昼・夜席ともに充実した内容に満足して家路についた。

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第18回三田落語会・昼席(2月25日)
次回チケットの購入の予定はないので開場時間を過ぎて会場へ入った。
こんなにゆったり・ゆっくりとこの落語会に行けるのは久しぶりだ。

三田落語会は回を追うごとに人気熱が高まってきているようで、前売り券購入のための整理券の配布時刻(開場分前)よりもかなり早くから並ぶ人がだんだん増えてきている。
今回のパンフレットともに配られたアンケートのなかにも前売りの方法について質問が設けられていた。今後検討の余地があると主催者側も考えているのだろう。

第18回三田落語会(昼席)
(2012年2月25日 13:30~16:18、仏教伝道センタービル8F)

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(開口一番)春風亭朝呂久「のめる」
春風亭一朝「黄金餅」
三遊亭兼好「崇徳院」
仲入り
三遊亭兼好「置き泥」
春風亭一朝「子別れ」(上・下)
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◆朝呂久:「のめる」(13:30~13:43)
平成24年11月上席から二つ目に昇進することが先月協会から発表された。
弟子の育成には定評のある師匠の下で一層の精進を重ねて欲しいものだ。

◆一朝:「黄金餅」(13:43~14:17)
マクラでは共演者の兼好について。
兼好は好楽(当時は彦六の弟子で九蔵、協会所属)に弟子入りする前に一朝のところを訪ねてきたが、一朝は両親の承諾を入門の条件としていたため断わったとのこと。
その後、築地で働いていた時に入門の機会を得るために、週に1回は築地から刺身などを自宅に持ってきてくれた(兼好自身は3日に1回とその後に言っていた)。
1席目は軽い噺と思っていたら「黄金餅」で驚いた。
道行きの言い立ては、慎重になったかためか少しテンポがゆっくりのような気がした。
木蓮寺の和尚の酔っ払いぶりの可笑しさ、桐が谷の焼き場での金兵衛の火葬人を恫喝する場面の迫力、焼かれた西念のお腹から金兵衛がカネを取り出す場面のおどろおどろしさなど印象深かった。

◆兼好:「崇徳院」(14:17~14:52)
若旦那が恋煩いで寝込んでしまっている場面では、育ちの良さを感じさせるお坊ちゃん風の弱々しさや頼りなさをうまく演出していたが、全体的には無難にまとめた印象が薄い内容だった。
明るい芸風で噺は確かにうまいのだが、クスグリが時々鼻につく。

◆兼好:「置き泥」(15:09~15:32)
季節外れのネタ。さすがに“夏泥”とは言えない。噺の中では床板を剥して夏場に蚊遣りをたいたことに触れていた。
オチは「今度、お前のうちに泥棒に入ってやる」。
久々に兼好の噺を2席聴いたが、やや期待はずれであった。

◆一朝:「子別れ」(上・下)(15:32~16:18)
「子別れ」は中をカットして上・下を通しで喋った。
「上」では酔っ払って上機嫌の熊五郎が紙屑屋の長さんをからかいながら吉原に行く場面が何とも滑稽だった。貰ってきた弁松の弁当を背負って歩いていると長さんがよろけて弁当にぶつかり、煮しめの汁が背中からフンドシに垂れて染み込んでしまうところは大笑い。
「下」では亀の健気さと両親を思う気持ちの強さ、かみさんの「酒は憎いが、亭主の熊のことは憎んだことは一度もない」という台詞などに思わず目頭が熱くなった。

一朝の決して派手ではないが高座に対する誠実さがうかがわれ、客へのサービス精神(きっちりと噺をするという姿勢)が目立つ落語会であった。

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雲助月極十番之内 拾番
昨年1月から始まった「雲助月極十番」も今回で終了だ。
冷たい風が吹き、風邪気味で体調は思わしくなかったが、人形町の蕎麦屋で腹拵えをして会場へ向かう。

雲助月極十番之内 拾番
(2012年2月18日 19:00~21:02、日本橋劇場

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(開口一番)柳亭市楽「弥次郎」
五街道雲助「二番煎じ」
(中入り)
五街道雲助「明烏」
<三本締め> 
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◆市楽:「弥次郎」(19:00~19:22)
1年以上前に聴いて以来の市楽の高座。
当時より幾分は上手くなってきている印象を受けた。
明るい芸風が何よりだが、テンポは今ひとつ。

◆雲助:「二番煎じ」(19:22~20:10)
夜回りのメンバーのなかに上方訛りの河内屋の主人がいて、これがなかなか面白かった。
伊勢屋の主人の都々逸も良かった。
番屋へ戻ってきて猪鍋を囲んでの酒盛りでは、肉やネギを音などは立てずに上品に食べる様子が印象に残った。
職人などと違って大店の主人たちが集まって飲み食いしているのだからうなずける。
旦那連中や役人が旨そうに酒を飲む姿は、観ていて喉が鳴るようだった。

◆雲助:「明烏」(20:24~21:00)
吉原にお供する源兵衛と太助は町内の札付の割には、灰汁が強くなかった。
時次郎の世間知らずぶりがかえって浮き立つように思えた。
全体的にはこってりではなく、さらっと軽快に噺を進めていた。

終演では「何の趣向も用意していないが」と前置きして三本締めで幕。
十番の内の九番を聴くことができた。
「ずっこけ」、「欠伸指南」、「乳房榎」、「初天神」などが思い出される。
これからは“老いの芸”に入っていく年齢になるそうだ。
今後、雲助の芸はどのように変化していくのだろうか。楽しみだ。

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一之輔、来月の真打昇進を前にして
昨日の日本経済新聞夕刊の文化欄に一之輔の紹介記事が掲載されていた。

来月、先輩21人を追い抜いて真打に昇進する。年功序列にこだわらない実力主義での昇進という落語協会会長・小三治の大抜擢。

「去年9月に話があり、えらいことになったと。責任も経済的負担も重いし、大丈夫だろうかと。今は披露興行を楽しもうと思っている」

高校2年の時にフラリと入った寄席の魅力にはまり、途絶えていた落語研究会を復活。
「部室でホコリをかぶっていた落語本を読みあさり、文化祭で口演した。あの時の笑い、拍手があったから今の自分があるのかも」

高卒後、親に落語家になりたいと言うと、「受験に失敗したから落語家に、というなら駄目だ」と言われ、浪人を経て日大芸術学部へ。

「ほとんど勉強せず、寄席通い。あの雰囲気が好き。自分に向いている。出たい」という思いが高じて2001年、一朝に入門。04年に二つ目に。

「一つでも多くの噺を覚えろ」と言う師匠の教えに従い、自分の会を開いて月1~2本のネタ下ろしを課した。持ちネタは古典ばかり150本。「毎日寄席に出ている落語家になりたい」


機会があれば彼の真打昇進披露公演に行ってみたい。

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