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淀五郎

Author:淀五郎
 
“淀五郎”は古典落語の演目。
相中にすぎなかった歌舞伎役者の澤村淀五郎は『仮名手本忠臣蔵』の判官役に抜擢されたが、四段目の切腹の場で、座頭で由良之助役の市川團蔵から連日のダメ出し。思いつめていたところ中村仲蔵に「いい所を見せようとする気持ちが強すぎる」とアドバイスを受けて、開眼。二階級特進の名題に抜擢される。六代目三遊亭圓生の十八番だった。

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歌舞伎座新開場柿葺落 十二月大歌舞伎 「仮名手本忠臣蔵」夜の部
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今日は忠臣蔵・四十七士討ち入りの日。
先日、歌舞伎座へ「忠臣蔵」を見に行った。
今春以来、新開場した歌舞伎座の前を何回も通ったり、地下鉄との連絡通路から地下2階の「木挽町広場」を覗いたこともあったが、中に入るのは今回が初めて。開演前に屋上庭園にも寄ってみた。

玉三郎、染五郎、海老蔵、菊之助、七之助とにった人気俳優が登場するためか、本公演のチケットは発売早々に完売になったようだ。

歌舞伎座新開場柿葺落 十二月大歌舞伎 「仮名手本忠臣蔵」夜の部
(2013年12月11日 16:30~21:00、歌舞伎座)

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一、  仮名手本忠臣蔵     
    五段目  山崎街道鉄砲渡しの場
           同   二つ玉の場
    六段目  余市兵衛内勘平切腹の場
    七段目  祇園一力茶屋の場
    十一段目 高家表門討入りの場
           同 奥庭泉水の場
           同 炭部屋本懐の場
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


【上演時間】
 五段目・六段目  16:30~18:17     
 七段目       18:47~20:31
 十一段目      20:41~21:00

【配役】
 五段目・六段目:勘平・染五郎、定九郎・獅童、おかる・七之助
 七段目:由良之助・幸四郎、平右衛門・海老蔵、おかる・玉三郎
 十一段目:由良之助・幸四郎、平八郎・獅童

◆五段目は、獅童の斧定九郎に注目。極悪人ぶりと「五十両」の凄みある一言が印象に残った。
 六段目は、染五郎の勘平と吉弥の母おかやのからみで、事態に翻弄される二人の心情がよく描かれているように思えた。

◆七段目は、玉三郎のおかるの相変わらずの美しさが目を惹き、何といっても今回の一番の収穫だった。 海老蔵の平右衛門とおかるのやり取りは少々くどさもあったが、二人の艶やかな姿を見ていると歌舞伎の華やかさが十二分に感じられた。 幸四郎の由良之助は放蕩ぶりと討入りの本心を表す好対照の円熟の演技で、どっしり構えていて安心して見ていられた。

豪華な顔ぶれによる舞台で満足度も高く、楽しい年末の一夜をすごくことができた。

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4月歌舞伎公演「通し狂言 絵本合法衢」_国立劇場
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3月以降、土曜日に雨が降ることが多い。傘をさして会場へ向かう。

「絵本合法衢」は昨年3月の公演が東日本大震災で途中で中止になってしまった。
震災の当日は夜の公演で、自分自身も観劇の予定だった。
それだけに今回の再演を楽しみにしていた。会場はほぼ満席。

国立劇場第279回 平成24年4月歌舞伎公演
(2012年4月14日 12:300~16:45、国立劇場大劇場)

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一、  通し狂言 絵本合法衢  四幕十二場
      序  幕  第一場    多賀家水門口の場(12:30~13:20)
            第二場    多賀領鷹野の場
            第三場    多賀家陣屋の場
      二幕目  第一場    四条河原の場(13:50~14:50)
            第二場    今出川道具屋の場
            第三場    妙覚寺裏手の場
      三幕目  第一場    和州倉狩峠の場(15:05~15:50)
            第二場    倉狩峠一つ家の場
            第三場    倉狩峠古宮の場
            第四場    元の一つ家の場
      大  詰  第一場    合法庵室の場(16:10~16:45)
            第二場    閻魔堂の場
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大名の一門である大学之助と、飛脚を生業とする太平次という二人の悪人を、仁左衛門が一人二役で演じる。
同じ悪人でも言葉遣いから身のこなし、雰囲気まで全く違い、非常に面白く、圧倒的な存在感をはなっていた。
この2人が善人達を翻弄し、残虐の限りを尽くして、殺しまくる。

時蔵の“うんざりお松”と“皐月”もよかった。
前者は妖艶な色気を放つ悪婆、後者は夫とともに義兄・弟の敵討ちに臨む武家の奥方を好演。

さらに、高橋瀬左衛門と弟弥十郎は正義側の柱となる役柄で、この2人を演じる左團次は重厚感を醸し出していた。

与兵衛の愛之助、お道の秀太郎も印象に残った。

話の内容がかなり複雑で、二幕目の途中で居眠りしてしまった。
派手さや華やかさをなく、殺しの場面が多く、やや食傷気味の感もあった。
それでも、最後の閻魔堂の場では大きな閻魔像が登場して会場はどよめいていたし、充実した俳優陣で中身の濃い好演だった。

最後には敵討ちで大学之助は弥十郎夫婦に敗れる。倒れた後、3人は客席に向かって姿勢を正して、切り口上。
「こんにちははこれぎり」で幕となった。

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3月歌舞伎公演「一谷嫩軍記」_国立劇場
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雨の降るなか永田町駅から会場へ向かう。

1階ロビーには埼玉県熊谷からの出店があり、地酒“直実”や菓子“五家宝”などの名産品を売っていた。
週末にも関わらず客席は2階に空席が目立っていた。

序幕「堀川御所の場」は98年ぶりの復活、二幕目「林住家の場」(通称流しの枝)は昭和50年(1975年)以来の上演だそうだ。

国立劇場第278回 平成24年3月歌舞伎公演
(2012年3月17日 12:00~16:15、国立劇場大劇場)

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一、  一谷嫩軍記     三幕
      -流しの枝・熊谷陣屋-
    序 幕  堀川御所の場
    二幕目 兎原里林住家の場
    三幕目 生田森熊谷陣屋の場
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◆堀川御所
三津五郎の義経は、品格と冷静な判断力を兼ね備えた源氏方の大将をうまく描いていた。
團十郎の直実は武将としての腹の据わった線の太い人物像に仕上げていて、義経から「一枝を伐らば一指を剪るべし」という制札を受け取って、その真意を汲み取った時の表情が印象的だった。

◆流しの枝
弥十郎の林の息子太五平は滑稽味が溢れていて、この演目が全体的に堅く重苦しい雰囲気の中でほっとできた。
團十郎の忠度の追っ手を払いのける立ち廻りも小気味よかった。

◆陣屋
敦盛・小次郎の生死をめぐって藤の方(東蔵)と直実の妻・相模(魁春)の二人の間にめまぐるしく生じる慟哭と安堵の感情が観ていて伝わってきた。特に桶から取り出された首が我が子のものであった時の相模の驚きとじっと耐え忍ぶ姿は今でも目に浮かぶ。
幕がひかれて花道で出家姿になった直実が「16年は一昔、夢だ、夢だ」と三味線の音とともに嘆く場面は、時間的に長く感じられ、少しくどく思われた

【配役】
上段真ん中のサムネイルを参照。
             
【時間】
一谷嫩軍記     序幕    12:00~12:30
(幕間)                  (35分)
同           二幕目   13:05~14:05
(幕間)                   (20分)
同           三幕目   14:25~16:15

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国立劇場 第277回-平成24年初春歌舞伎
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今月は東京では5座で歌舞伎公演があるという。
今年初めて、そのうちの一つである国立劇場に出かけた。

団体客もかなり入って、平日にもかかわらずほぼ満席状態だった。

正月の演目として果たして陰惨な部分も多い「三人吉三」は適当なのか。
そして、歌舞伎の評論家のブログや記事などでは、本公演を手厳しく批評していたことも懸念された。
しかし、予想以上に楽しめ、かつ正月気分が味わえてよかった。

国立劇場第277回ー平成24年初春歌舞伎公演
(2012年1月17日 12:00~16:10、国立劇場大劇場)

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一、通し狂言  三人吉三巴白波     四幕七場
    序幕         大川端庚申塚の場
    二幕目 第一場  割下水土左衛門伝吉内の場
          第二場  本所お竹蔵の場
    三幕目 第一場  巣鴨在吉祥院本堂の場
          第二場  同  裏手墓地の場
          第三場  同  元の本堂の場
    大詰         本郷火の見櫓の場
      浄瑠璃「初櫓噂高嶋」清元連中
                    竹本連中              

二、 奴凧郭春風        竹本連中
                   常磐津連中
                   長唄連中 
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◆三人吉三巴白波
福助のお嬢吉三の「大川端庚申塚の場」での独白に大向うから“たっぷり”と掛け声がかかる。
聞いていて「自分にも今年、縁起のいいことが起こらないだろうかなぁ」という心持ちに。
福助は大詰「本郷火の見櫓の場」での立ち回りや見得もよかったように思う。
反面、染五郎のお坊吉三は、“お坊っちゃん”の雰囲気はあるものの、悪党らしい凄みが薄く、線の細い気がした。
幸四郎の和尚吉三は、自分の親や弟・妹の因果に悩みながらも義兄弟になったお坊やお嬢を含めて何とかいい解決法を探り当てていこうとする。この役を無難にこなしていたように思う。
キーマンの一人である錦吾の土左衛門伝吉はやはり物足りなく残念だった。
高麗蔵のおとせは人柄の優しさを醸し出していてよかった。
「裏手墓地の場」での和尚吉三が十三郎・おとせの弟・妹を殺す場面は、少々リアル過ぎる感があって後味が悪かった。

◆奴凧郭春風
<大磯舞鶴屋格子先>
両花道から福助の大磯の虎と染五郎の十郎祐成が登場。
大磯の虎の豪華は衣装は舞台に華を添える。
ただ、祐成、大磯の虎、高麗蔵の十内による3人の踊りは見ていて飽きてしまった。
<大磯八丁堤>
幸四郎と金太郎の祖父・孫の花道からの登場に客席は大いに湧いた。
金太郎の見得も立派で大きな拍手が起っていた。
染五郎の奴凧もダイナミックさはないが、明るい雰囲気をもたらしていた。
<冨士野猪退治>
最後は大きな猪を染五郎の猟人・仁太郎が討ち取って、富士山に朝日が昇って幕。
正月気分を大いに盛り上げてくれた。

【配役】
上段真ん中のサムネイルを参照。
             
【時間】
三人吉三巴白波  序幕~二幕目   12:00~13:10
(幕間)                      (35分)
同           三幕目~大詰   13:45~15:00
(幕間)                      (20分)
奴凧郭春風                 15:20~16:10

テーマ:歌舞伎 - ジャンル:学問・文化・芸術

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こころの玉手箱~吉右衛門④
最後は「結婚式の引き出物に父の書」。

◆実父(八代目幸四郎)は私の生まれた時の日記も筆で書いたくらいだから字もうまかった。そして絵もうまかった。「役者になっていなかったら、画家になりたかった」と言っていたし、家で時間があれば絵筆を持っていた。

◆お茶やお花の稽古をしていたのを知っていたが、実父が正式に絵を習ったとは聞いていない。高麗屋の祖父・七代目幸四郎の牡丹や菊の絵も素晴らしい。高麗屋は絵心のある家系なのだろう。

◆初代吉右衛門は俳句をよくした。高浜虚子の門弟で、俳名は秀山。浅草神社に「女房も同じ氏子や除夜の鐘」という句碑がある。この排名を冠した「秀山祭」を2006年9月から行なっている。

◆絵や書、俳句、お茶などのたしなみが、舞台での役の品格や貫禄に生きてくるのだ。私も子供の頃に修辞を習ったが、墨をするだけで1時間の稽古に挫折。

◆ただ、絵だけは見るのも描くのも好きで、普段からスケッチブックを持ち歩いている。楽屋で小道具や役者さんを描いたり、喫茶店で街の風景や道行く人を描いたり。それが唯一私の至福の時である。

◆できることなら芸大へ入ってデッサンと構図を勉強したいと思っている。それにはセンター試験という大きな壁が…・・・。

  (2012年1月13日 日本経済新聞夕刊)

吉右衛門なら一般入試試を受けなくともAOや社会人枠(あればだが)で入学できそうな気もするが。

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