FC2ブログ
 
■プロフィール

淀五郎

Author:淀五郎
 
“淀五郎”は古典落語の演目。
相中にすぎなかった歌舞伎役者の澤村淀五郎は『仮名手本忠臣蔵』の判官役に抜擢されたが、四段目の切腹の場で、座頭で由良之助役の市川團蔵から連日のダメ出し。思いつめていたところ中村仲蔵に「いい所を見せようとする気持ちが強すぎる」とアドバイスを受けて、開眼。二階級特進の名題に抜擢される。六代目三遊亭圓生の十八番だった。

■最新記事
■カテゴリ
■検索フォーム

■月別アーカイブ
■FC2カウンター

■リンク
■QRコード

QR

桂米丸 「新作落語一筋に65年」
9月28日の日本経済新聞朝刊の文化欄に、桂米丸の「新作落語一筋に65年」と題した記事が掲載されていた。以下はその抜粋。

落語家になって65年、新作落語一筋にやってきて、86歳の現在も寄席を中心におしゃべりさせていただいている。東西の落語界を通じて最年長だそうだ。

私の新作落語は、1946年1月に弟子入りした師匠の五代目古今亭今輔の方針だった。戦争が終わり、これからは現代の噺を若い者がやれば受けるとみた師匠の、いわばサンプル。「あの、古典落語は・・・」とたずねると私に師匠は言った。

「古典の雰囲気が身につくには20年かかる。それまで辛抱できますか。たとえできたとしても稼げる保証はない。好きで入った道だから自分が苦労するのはいい。だが、40歳になっていればカミサンを持ち子供もできる。家族に苦労はかけられないだろう。私の言うことを守ってくれれば3年で稼げるようにしてあげます」。実際、2年で稼げるようになった。

師匠にまず言われたのは、芸人は明るくなくてはダメだということ。そして、高座に出た時の顔でお客の心をつかむんだと。褒められたら注意しろとも言われた。その気になったら芸が止まってしまうぞと。人と比べてだいたい自分と同じだと思ったら、相手の方が上なんだとも。

10本のネタを仕込まれ、入門1年で前座の経験なしに二つ目で寄席に出た。「バスガール」を大阪で演じて受けたことが評判となり、2年後には真打に昇進した。まさにスピード出世。師匠のおかげである。

入門してすぐに「自分の噺を作れ」とも言われ、最初に作ったのが「電車風景」。(中略)何度か稽古して高座にかけた。すると、お客さんが笑ってくださった。自作が受けたうれしさは格別だ。この喜びがあったからこそ今まで作り続けてこられたのだと思う。

新作はいわば未完成のものを聞いていただくのだから不安でたまらないが、話しながら磨いていく作業は楽しい。とはいえ、10本に1本残ればいい方だ。これまでに何本作っただろう。受けずに1回でやめたもの、時代とともにできなくなったものは数限りない。だから常に新しい噺を作り続けなければならない。

落語は予言だと思うことがある。噺の中で「そのうち目的地までの道を教えてくれる機会ができますよ」と言っていたら、カーナビゲーションが出現した。(略)


10月23日の国立演芸場ではSF的な噺をネタおろしするつもりとのこと。
米丸の噺はそれほど多く聴いた記憶はないが、上記のように明るい芸風の背景や師匠からの落語以外にも参考になる人生訓などが盛り込まれた非常に面白い記事であった。

スポンサーサイト



落語 | | トラックバック(0) | コメント(0)
次のページ