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淀五郎

Author:淀五郎
 
“淀五郎”は古典落語の演目。
相中にすぎなかった歌舞伎役者の澤村淀五郎は『仮名手本忠臣蔵』の判官役に抜擢されたが、四段目の切腹の場で、座頭で由良之助役の市川團蔵から連日のダメ出し。思いつめていたところ中村仲蔵に「いい所を見せようとする気持ちが強すぎる」とアドバイスを受けて、開眼。二階級特進の名題に抜擢される。六代目三遊亭圓生の十八番だった。

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『江戸・東京 下町の歳時記』荒井修(集英社新書)
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先月読んだ本の1冊である 『江戸・東京 下町の歳時記』荒井修(集英社新書)
筆者は下町で生まれ育った扇子屋(舞扇の老舗)の4代目社長で、デザインの専門家でもある。

年中行事や歳時記について書かれた本には、「昔は…だった」というのように古い文献をもとに書かれたものや歴史的な観点から書かれたものもあるが、本書は“江戸から東京にかけての下町”における筆者の幼少期の体験談や自らの現在でも実践している行事や生活ぶりを具体的に紹介しており、その背景などについても解説している。口語体で書かれているので、スラスラ読める。

興味深い内容が多く所収されているが、そのうち1月の行事から3つの事例を以下に記す。

初詣は初日が昇ってから普段着ではない着物を着て、大きな神社仏閣やその年の恵方にあたる神仏にお参りに行くもの。大晦日の日没から元日の日の出までに、普段着のまま自分の氏神様にお参りすることは「除夜詣」という。

除夜の鐘の百八は煩悩の数だそうだが、江戸ではその前に必ず捨て鐘というのを三つつく。聞くほうは、それで数える準備ができるんだ。だから、除夜の鐘は全部で百十一ついているわけ。今は時報が「チッ、チッ、チッ、ポ-ン」というが、この「チッ、チッ、チッ」は捨て鐘三つの名残り。外国なんかだと、音楽がかかってから時報が鳴ったり、いきなり時報だったりするけど、あのチッチッチッというのは日本だけ。

初夢には、なんの夢をみたらいいか。一富士二鷹三茄子。富士というのは富士山じゃなくて「無事」や「不死」。鷹というのは「高みに上る」。茄子は「物事をなす」、実がよくなることから「子孫繁栄」も意味する。四番目が「四扇」で扇の夢は「末広がり」。五番目は「五煙草」で上昇気流、六番目は「六座等」。座等は毛がないので「怪我がない」。「一富士、二鷹、三茄子、四扇、五煙草、六座等」。


このように当方にとって「ヘェー」と思うことがたくさんあって、大変面白く読めた。
江戸や下町の行事・歳時記に興味がある方にはお薦めの本。
内容が著者の実体験であるところがポイント。

テーマ:日本文化 - ジャンル:学問・文化・芸術

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